img_global

「これから我が社が海外に進出するためには、グローバルサイトくらい持っておかなければいけない!国際化の流れに乗り遅れないように、ちゃんと英語でウェブサイトを作ろう!」
そんな鶴の一声でグローバルサイトを作ることになり、その担当者として白羽の矢が自分に立ったら、あなたはどうしますか?

「そもそもグローバルサイトって何だろう?」
「会社にとって何の役に立つんだろう?」
「担当者は何をすればいいんだろう?」

グローバルサイト担当者になったその日から、様々な疑問や不安が浮かんで、それが一日中ずっと頭から離れずに毎日を過ごすことになるでしょう。
この連載では、グローバルサイト担当者の方から多く寄せられる疑問や知っておくべき情報について、いくつものグローバルサイト 構築を手がけてきた現場目線で整理していきます。
プロジェクトのキックオフや制作会社選定の前にご一読いただき、活用いただければ幸いです!

 

目次

グローバルサイトとは?〜英語サイトとの大きな違い〜

「グローバルサイトってことは、今のホームページを英語にすればいいんだよね?
それなら、まず翻訳会社に話を聞こう!」

グローバルサイト担当者の大多数の方が、まず最初にこう考えると思います。
たしかに海外進出を果たしている大企業のほとんどが、英語で書かれたコーポレートサイトを持っていますよね。
でもその中の多くが、本当の意味でグローバルサイトではないのが現状です。
すでに持っているコーポレートサイトを翻訳すれば、世界中の人がそれを読んで自社への理解を深めてくれる、というわけではありません。

例えば、こんな経験をしたことはありますか?

英語で書かれた文献や記事に書かれている内容を読むために、翻訳サイトやアプリで日本語に翻訳。
ところどころ誤訳があるテキストや単語からニュアンスを汲み取って、何となく全体の意味を理解して、分かった気になる。
しかし実際には、書き手の伝えたかったことや真意が正確に読み取れず、ミスコミュニケーションが発生してしまう…。

まさしくこれと同じような経験を、一部の日本企業のグローバルサイトを読むたくさんの方が味わっています。
日本語で書かれたウェブサイトのコンテンツをそのまま英語に翻訳しても、ネイティブスピーカーからすると、とても読みづらいんです。
日本語から英語に訳しただけのテキストは、彼らには「とても堅い、かしこまった文章」と捉えられ、読みづらく違和感があるという意見もあるようです。

そうすると、結果的にエンゲージメントの向上に繋がりませんよね。

実は、このような落とし穴はテキストだけでなく、ウェブサイトの情報設計やデザインにも隠れています。
例えば、注釈や補足情報が多いページ構成や、コーポレートカラー、装飾を多用するデザインは、必ずしも万国に受け入れられるものではないようです。
そんなお国柄が色濃く反映されたグローバルサイトでは、ウェブサイトを訪れる各国の消費者やビジネスマンとコミュニケーションを図ることができません。

海外進出やグローバル戦略展開の旗振り役になる「本当のグローバルサイト」を作るには、レベルの高いネイティブのライターや、グローバルに受け入れられるデザインやトレンドを理解したデザイナーの力が必要です。
そうしたグローバルな視点を持った制作会社と協力することによって、各国の消費者やビジネスマンが日本特有のドメスティックな違和感を感じることなく、正しいコンテンツの内容を伝えることができます。
これが、英語サイトとの大きな違いです。

グローバルサイトと翻訳サイトの大きな違いとは?

グローバルサイトの目的

これはグローバルサイトに限ったことではありませんが、プロジェクトを進める上で大切なことは、「(プロジェクトの)目的を明確にしてメンバー全員で共有すること」です。
※ここで言うメンバーはプロジェクト担当者だけでなく、他部署のスタッフや制作会社なども含んだ「プロジェクトに関係する全ての人」を指しています。

特にグローバルサイト担当者が陥りやすいのが、当初の目的を見失い、「グローバルサイト の完成」を目的にしてしまうことです。

企業としてあるべき理想の姿や課題解決が目的であり、それを実現するツールとしてグローバルサイトを作る、という第一義を忘れないことが大切です。
当たり前のように聞こえますが、様々な作業やタスクを進めていくうちに、この目的意識が薄らいでしまう担当者の方が多く見受けられます。

では、グローバルサイトを作る多くの企業は、どんな目的を掲げているのでしょうか?

やはり一番よく聞くのは「自社のブランド価値を海外にも伝えたい(グローバルブランディングをしたい)」という声。
その経緯は様々です。

  • 企業の方針や事業が大きく転換を迎え、それをグローバル規模で発信したい。
  • 主要事業がBtoBからBtoCに変わり、ウェブ上で消費者とのコミュニケーションを図りたい。
  • 海外事業や現地企業を買収したので、ガバナンスを統一したい。
  • 海外への事業拡大を目指して、自社プロモーションをしたい。

共通しているのは、企業や事業の転換期を迎えたタイミングで国外向けの情報発信の整備をしたい、という目的意識を持っていることです。
このグローバルブランディングという目的を達成するためにグローバルサイトを活用したいと考える企業が多いですね。

グローバルサイトの役割

前述の通り、グローバルサイトの目的の多くはグローバルブランディングです。

ではグローバルサイトは、ブランディングの役割しか果たさないのでしょうか?

そのためだけに何千万〜何億円もの予算を投資できる企業は、そう多くはないでしょう。
多くの企業がグローバルサイトを作っているのは、グローバルサイトが様々な役割を担ってくれるからです。

グローバルサイトの役割

各現地法人へのコンテンツシェア

グローバルサイトを制作する際は、本社が主導となって様々なコンテンツを整備します。
基本情報や事業紹介はもちろん、社史や製品情報、ニュース、CSR(環境保護活動や社会貢献活動など)など、企業に関するありとあらゆる情報をまとめ、サイト内で発信しますよね。

もちろんそれらは消費者や投資家、ビジネスマンなど様々なステークホルダーに向けられたコンテンツですが、そこには海外グループ企業や現地法人も含まれています。

最近では、本社主導で整備したグローバルコンテンツを効率よく正確に(ガイドラインなどを策定して)ローカルに落とし込むことが、ガバナンスの効いたグローバルブランディングを図る上でとても重要だと考えられています。

なぜならこのようなコンテンツシェアには、本社にとっても現地法人にとっても、多大なメリットがあるからです。

  • 本社の情報や方針などローカルに依存しないコンテンツをグローバルサイトを通してシェアすることで、現地法人ごとに異なる情報が発信されるリスクを回避でき、グループサイト全体で正しい情報に統一できる。
  • 今まで現地法人ごとに作っていたコンテンツを制作する必要がなくなることで、人的リソースやコストを軽減できる。
  • ローカルサイトや個社サイトを持っていなかった現地法人でも、コンテンツシェアによって効率的にサイトを用意できる。

これまでのグローバルブランディングでは本社の情報をグローバル規模で発信していくことばかりが最重要課題とされていました。
ですが多くの企業がグローバルサイトを作ったにも関わらず、各現地法人に浸透せず、ガバナンスの形成に悪戦苦闘しています。

そこで近年は、整備されたグローバルコンテンツをローカルにシェアすることで各現地法人や消費者とのコミュニケーションを向上させる「グローバルからローカルへ」のグローカル化がトレンドとされています。

【制作実績】味の素グローバルサイト

味の素グループの企業や現地法人への展開を想定して、ユーザビリティや更新性を向上させるデザイン設計をおこないました。また、お客様自身でのコンテンツ運営や更新作業を可能にするためのコンテンツ管理システム(CMS)の構築も実現しています。

ajinomoto_img001

グローバル規模の採用活動

企業規模や事業展開が拡大すればするほどグローバルな人材へのニーズが高まり、採用活動や人材の流動もよりグローバル化します。
そのため採用活動もローカルに依存するのではなく、本社が音頭をとってグローバル規模で推進するべきだという意見が増えています。

グローバルサイトを通じて本社とリージョンが連携して採用活動を行うことで、

  • 一貫性のある採用活動の実現。
  • 流動的な採用活動における機会損失の軽減。
  • 企業情報や従業員インタビューなどの採用コンテンツの流用。

などのメリットがあるとされています。
このようにグローバルサイトは単なるブランディングツールとしてだけでなく、各現地法人の業務負担の軽減やグループガバナンスの形成、グローバル人材の獲得など様々な役割を果たしています。

まとめ

今回はグローバルサイトについて、翻訳サイトとの違いや目的・役割についてお話しました。

英語サイトとの違い

英語サイト:日本語で書かれたウェブサイトのコンテンツをそのまま英語に翻訳しただけのコンテンツで、ネイティブスピーカーに違和感を与えてしまい、エンゲージメントの向上に繋がらないウェブサイト。情報設計やデザインも日本人思考で、各国の消費者やビジネスマンとコミュニケーションを図ることができない。
グローバルサイト: レベルの高いネイティブのライターや、グローバルに受け入れられるデザインやトレンドを理解したデザイナーが作るウェブサイト。そこから世界中のユーザーが情報を取得でき、エンゲージメント向上につながる。

グローバルサイトの目的

自社のブランド価値を海外にも伝える=グローバルブランディング

グローバルサイトの役割

単なるブランディングツールとしてだけでなく、現地法人の業務負担の軽減やグループガバナンスの形成、グローバル人材の獲得など様々な役割を果たす。

次回はグローバルサイトの課題について取り上げます!

ABOUT AUTHOR

小島 寛人

小島 寛人

ローカライゼーションベンダーのディレクターを経て、2006年にビジネス・アーキテクツに入社。以来、大企業のコーポレートサイト、マーケティングサイト、保険企業のオンライン見積りサイトなど多様なプロジェクトに参画。 現在はビジネス・アーキテクツ営業/ディレクションUNITの責任者を務める。 [主な実績]富士フイルム グローバルプロジェクト、デンソーグローバルプロジェクト、シトロエン公式サイト構築、味の素グローバルサイト構築

関連情報

Webサイトのアクセシビリティとは?意味...

Webサイト運用

Webサイトを制作する際、意識すべき重要なポイントのひとつに「アクセシビ...

制作会社の選び方を解説!失敗しないために...

Webサイト運用 社内調整

Webサイトの制作やリニューアルを行う際、最も重要なのは「どの制作会社に...

RFP(提案依頼書)の書き方とは?必要な...

Webサイト運用 社内調整 Web戦略

Webサイトを制作する際は、必要な要件を制作会社に文書で伝える必要があり...

記事やサービスについてのご連絡・ご相談

タグ一覧

Webサイト運用 グローバルサイト 社内調整 Web戦略 ブランディング

    SNSアカウント

    • Facebook
    • Instagram

    お問い合わせ