BA

社員紹介:太田良典

システム本部 システムグループ セキュリティスペシャリスト / アクセシビリティスペシャリスト / プロジェクトマネジャー

プロフィール

第八回富士見ファンタジア長編小説大賞で準入選を果たすなど、作家活動に励む傍ら、独学でHTMLやCSSなどのフロントエンド技術を学ぶ。HTML4.01のW3C仕様書を精緻に翻訳した「HTML4仕様書邦訳計画補完委員会」の委員を務めた後、2001年にBAへ参加。HTML、CSS、アクセシビリティ、ユーザビリティ、セキュリティといった分野にまで幅広い造詣と専門性をもつ。
セキュリティ分野においては、「第二回IPA賞(情報セキュリティ部門)」を受賞。アクセシビリティ分野では、ウェブアクセシビリティ基盤委員会の実装作業部会に参加するなど、自身の専門性を幅広く発揮している。
著書(共著)に「Dreamweaverプロフェッショナル・スタイル」「ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック5 Webプログラミング」など。

HTMLとの出会い、BAとの出会い

BAに来る前は、小さな会社でサーバー管理業務を行う傍ら、HTMLの仕様を解説する個人サイトを作っていました。

現在はHTML5の仕様が議論されていますが、そのひとつ前のHTML4が勧告になったのは1997年のことです。私が個人でWebサイトを作り始めたのもその頃でした。時を同じくして「HTML4.0仕様書邦訳計画」というプロジェクトを知り、お手伝いさせていただくようになりました。

そこで感じたのは、HTMLの仕様がとても面白く、奥深いということです。基本は平易に書かれているのですが、高度な知識がないと分からない部分もあり、勉強すればするほど深みにはまって行く。きちんと理解しようとすると、CSSやHTTP、文字コード、URI、SGMLなど、さまざまな技術仕様が次から次へと出てきます。そんな魅力を伝えたくて、私のサイトでは初心者向けの解説はせず、あえて深い部分に絞った解説をしていきました。

そんな活動を見ていただいていたようで、BAに誘われたのが2001年のことです。今後は「フルCSS」のサイトを作っていきたいので、HTMLとCSSについて指導してもらいたい、というお話をされました。

当時はまだCSSが本格的には普及しておらず、商用サイトのほとんどがtableレイアウトで作られていました。本来は「表」を表すための要素を何重にも重ね、透明なGIF画像でマージンを調整するという、今では信じられないようなテクニックが駆使されていたのです。しかし、このような手法で作られたWebサイトは、スクリーンリーダーでアクセスしにくいなど、アクセシビリティ上の問題を数多く抱えていました。

当時からBAは、誰もが名前を知っているような大きな企業クライアントをたくさん抱えていました。そういったサイトのアクセシビリティが改善されることは、社会貢献でもあり、ウェブの本来の力を取り戻すことでもあります。

そうして私はBAの一員になることを決めました。

マークアップをデザインし、仕事をデザインし、ビジネスをデザインする

大規模サイトをフルCSSで、という本格的な取り組みを行ったのは、翌2002年の春のことです。政府系機関のサイトを大幅にリニューアルするという案件で、私は最初の提案の段階から関わることになりました。提案にWCAG1.0を参照したアクセシビリティ要件を入れて、クライアントと議論を繰り返したことを記憶しています。

このマークアップ作業は、大きなチャレンジでした。従来の作業フローが通用しないということが分かっていたからです。

従来のtableレイアウトでは、マークアップ作業の分担は簡単でした。ヘッダやフッタなどの共通部分を作った後は、単純にページ単位で割り振り、各作業者が勝手にページを作っていけば良かったのです。

しかし、CSSによるレイアウトでは、そうは行きません。CSSファイルの修正が全てのページに一気に反映されますし、HTMLと見た目が切り離されていますから、各人が勝手にHTMLを書くというやり方はできないのです。ただ作るのではなく、まず全体を俯瞰しながら設計を行う必要がありました。つまり、マークアップを「デザイン」するという作業が必要になったのです。この時に考えたのが「コンポーネント設計」という手法で、10年経った今でも使われ続けています。

BAでは、HTMLを書く人は「マークアップ・デザイン・エンジニア」という肩書きを持ちます。これはマークアップをデザインするという意味ですが、それだけでなく、時には仕事のやり方そのものをデザインする必要もあるのです。

「ビジネス・アーキテクツ」という名前には、ビジネスをデザインして構築するプロフェッショナル集団である、という意味が込められています。その名の通り、Webサイトのあり方の提案を超えて、クライアントのビジネスにまで踏み込んでいく場合もあります。クライアントの要望に対してノーと言うこともあります。クライアントは必ずしもWebのプロではありませんし、クライアントが欲しいと思ったものが、本当に必要なものとは限らないからです。

プロフェッショナル集団の一員として働く

Webサイトに必要とされるものは、目に見えやすいものばかりではありません。その典型例がアクセシビリティ、そしてセキュリティに関する要素です。一見するときれいに見えるサイトが、とてもアクセスしにくかったり、安全上の問題を抱えていたりすることがあります。短絡的にどちらか片方だけに配慮した結果、もう片方に悪影響を及ぼす場合もあります。

アクセシビリティとセキュリティという二つの要素を一緒に考えて問題点を指摘できる人は、実はそれほど多くないのではないでしょうか。実際、ビジネスのコンサルティングをする会社が実装について考えないまま戦略を立てていたり、逆に実装をする会社が戦略を理解してくれなかったり、という問題は良く見かけます。

BAの強みは、Webサイトに関わる全ての工程を一社で実現できるという点にあります。

もちろん、その全てを私一人の力で実現できているわけではありません。BAには、さまざまな分野の専門家が集まっています。異なる分野のプロフェッショナルと一緒に働けるということは、BAの大きな魅力の一つです。

HTML5の仕様が議論され、多くのブラウザが実装を始めている中で、フロントエンド技術は大きな転機を迎えています。しかし、そんな中でも決して変わらない要素もあります。

表層的な部分だけではなく、本質的な部分を見抜く力。
批判的、論理的思考能力。
品質へのこだわり。
高い専門性と強いプロ意識。

そんなものを持っている人を、BAは求めています。